この若者をどうみるか

 久しぶりです。きょうは今朝の通勤電車での出来事です。
 電車が横浜に着き、かなりの人が降り、立っていたボクの前の席(ロングシート)が空いた。では、と座ると通路の反対側に立っている男の人の背姿が見えた。背中の曲がり具合、体の縮み具合はどう見ても80代前半か。彼の前には20代の若者が2人知らん顔で座っている。
 10秒ほど待ったが「変化なし」なので、やおら嫌み作戦開始。老人に、これまた「行政統計上の老人」になった当方が「どうぞ」と声かけして、すんなり終わっては面白くないから、トントンと背を叩き、「ボクのほうが後輩のようですから、どうぞ」。老人は「いえ、大丈夫です」。そこで「どうぞ」は2度は言わず、「そうですか、若い人が立ってくれないもので、余計なおせっかいをしてしまいました。ごめんなさい。でも、御遠慮なく」。これで止めて様子見です。
 すると若者2人、少しして同時に席を立ち、黙ったまま込んだ車内をかき分けるようにして離れて言った。老人とボクは小さく「ありがとう」を口にした。老人はボクに数回会釈した。
 この話を事務所の若い仲間にしながら、「この若者をどう見たらいいのかな」と尋ねたら、彼女は「無視したり、捨て台詞を吐いたり、そんな嫌みを言うオヤジに喰ってかかり、あげくは殴りかかってくるようなのも多いなか、その2人は平均以上でしょう」と分析してくれた。みなさんは、どう思われますか。          (福士)