里山再生は諦めず、楽しみながら

ずっと応援している友人たちの里山再生活動が7年目に入った。まつたけ研究の第一人者でもある友人と仲間たちが毎週1回、京都市の北部の左京区岩倉の山に出かけて、まつたけの発生になくてはならないアカマツ林(今その林が全国的に放置され荒れ放題になっている)の再生・復活に汗を流している。
その人数は雨風にも夏冬の暑さ寒さにも負けず毎回30人前後。地元だけでなく近畿各府県や中四国、北陸、関東などからも参加があり、多いときは60人以上にもなる。
山主の協力で提供を受けた3つの山で松くい虫の被害で枯れたアカマツやマツの成長を邪魔しているナラやクヌギ、スギやヒノキを伐採するだけではない。まつたけの発生にもアカマツの成長にも大敵である富栄養化した山の土壌を改善するため、林内に積りに積もった落ち葉や腐葉土など堆積物を林外に掻き出す作業をじつに6年以上も根気強く続けているのだから、すごい。それを楽しみながらやっているから、またすごい。もちろん、アカマツの苗を育て植林にも力を入れている。
そんな大変な作業の合間をぬって、団塊世代を中心にしたオジサン、オバサンたちは、本命のまつたけの復活はにはまだ時間がかかりそうだが、彼らはその日を楽しみにしながら、待つことを楽しんでいる。畑や田んぼをつくってしまったし、ニホンミツバチの飼育も始めた。伐採した木でシイタケの原木栽培も本格化し、収穫した茶葉を手もみして緑茶と紅茶も楽しんでいる。ワサビ畑も出現した。薪を燃料に自前の陶芸窯やピザの窯からは「作品」が次々誕生している。
そこには、歓迎しないサル、イノシシ、クマ、シカといった闖入者も。それ以上にけしからんのは、シイタケ泥棒やミツバチの巣を壊していく人間だそうだ。
それでも彼ら「まつたけ山復活させ隊の仲間たち」は、夢に向かって歩みを止めることはない。
筆者(福士)も、それにつられてか、この欄を書き続けている。