里山再生を楽しむ 本が発行されました


 『里山再生を楽しむ! まつたけ山復活させ隊の仲間たち』という本が高文研から発行されました(1600円)。かつて、多いときは年間1万2000トンも採れた国産の松茸が今では70トンほどに激減しているのをご存じですか。松茸が採れる代表的な里山であるアカマツ林が放置されて荒れ果て、崩壊状態になっているためです。
 今年は国連の「生物多様性年」で、10月には名古屋でCOP10(生物多様性条約締約国会議)も開かれるし、日本政府も「SATOYAMA」の重要性をを見直していて上海万博の日本館には里山コーナーもあるようです。
 この本を書いたのはマツタケ研究の第一人者の吉村文彦さんとまつたけ十字軍運動の面々40人で、毎週最低1回、5年間続けてきた運動の成果をまとめたものです。里山(アカマツ林)の再生を通して松茸を復活させようというのですが、松茸のことばかりかと思ったら、どうしてどうして、都会派熟年世代たちの、じつに楽しい自己発見、生き方発見がてんこ盛り。なりしろ、何十年も手入れされず荒れ放題の山から切り出し、運び出したマツの枯れ木、マツ以外のヒノキやスギや溜まりに溜まった腐植などのバイオマスを活用し、休耕田や畑を耕し、バイオトイレから作業・休憩小屋、ピザを焼く窯、陶芸用耐火れんがの本格窯まで作ってしまった。さらに、お茶の木を植えて緑茶も紅茶も自家製だ。ニホンミツバチまで飼っているといった具合です。
 山の手入れから松茸が出るまでには早くても5年はかかるといい、荒れきった山では、さらにかかるそうですが、運動を始めて6年目を迎えたメンバーたちは、その日が遠くないことを待ち望みながら、今日も楽しい汗を流しています。エコを考える人、必読です。